ピーターリンチの株で勝つ


こちらの書籍は1989年に発売された本で、内容を見るとその当時の日本の状況と非常に似ているので、今後の日本の状況、米国の状況が占う意味でも非常に興味ぶかい本であると思う。
当時の米国は、現在の日本と同じ状況で、米国はほとんど株価が上がらす、日本は逆に大きく上昇していた時期、それでいても高いパフォーマンスを出しているので、銘柄選択において参考になると思われる。


ピーター・リンチ氏とは?
かつてフィデリティに在籍したファンドマネージャー
マゼランファンドの運用資産1億ドルから130億ドルに増加し、価格も25倍になった。

1966年から1988年までに、NYダウは2倍にしかならなかったのに、何と日経平均は17倍になった

素人が失敗する時はプロの真似をしようと後追いする時だけ
話題の銘柄や証券会社の推奨銘柄、専門誌􏰀「今週の銘柄」などを無視して、自分自身 が調査に基づいた投資をすべき
自分の仕事や近所商や店街で起こっている事を見るだけで、ウォール街 が気が付くよりずっと以前に凄い銘柄を見つける事ができる
ある朝「株を買おう」と思い立ったら、電話を取り外し、なるべく証券マンに近づかない事を 勧める。
何も知らない、解りにくい会社への投資の方が安心していられる変な投資家心理がある。
よく知っている銘柄への投資の方が、よくわからない難しい銘柄に投資するより、 ずっと良い成績が上げられる。


街に行ってドーナッツを食べる事が株式への基礎的調査の第一歩
ただし、新装開店した上場企業に投資すれば良いと短絡的に考えてはいけない
将来性のある会社を見つけるステップとして「調査」は欠かせない
アナリストやファンドマネージャーが情報を知るずっと前に、近所や職場で起こっている出来事から、誰でもチャンスを掴むことができる

株式相場を無視する事だ。株式相場は、全く持って不可解な動きをするもの
相場􏰀動向がわかっていても、銘柄選択を間違えれば、損する可能性は少なくとも半分 以上はある。
何かを調べようとするのなら、相場動向ではなく、その個別銘柄の製品がヒットするかどう かを見極めるべき


株式投資で大事な事

株式投資とは科学というより芸術で、何でもはっきりと数量化したがるタイプの人間には向かない  
統計学より歴史や心理学を学ぶべき。株を選ぶ時一番役に立つのは倫理学かもしれない
科学的に全ての情報をインプットしてから決める事などウォール街では非現実的なこと
投資に必要な数学的知識は小学校4年生くらいの数学の知識で充分
リンチ氏は、プロの投資家やエコノミストの予測を信じない


株式投資の資質

忍耐強さ
利害に超然と向き合う強さ
自主性
根気
常識
謙虚さ
苦痛に対しての耐久力
柔軟性
自由な思考力
独自に調査する意欲
パニックを無視する力


テンバガーを見つけるには

見つけるには、まず自分の家の近くから始める事だ。裏庭か、商店街か、職場かである
一般消費者の知識は、高成長する新興企業、特に小売業の中から有望株を見つけ出すのに役に立つ。

最初に掴んだ情報はそれがどこから得たにせよ、それを鵜呑みにして信じてはいけない
話を先に進めるには少なくとも何時間かかける必要がある。それが「調査」だ。
調査なしの投資は、カードを見ずにポーカーをするようなもの
ネットで一番安い航空券を探すのに週末を費やす人が、航空株を100株買うのに会社について5分も調べない
株を買う時、せめて雑貨を買う時と同じぐらいの努力はすべき


ストーリーを考える

その会社の成長の可能性、あるいは推進する材料は何なのかを知る事
株を買う前に再度、その会社の魅力、成長性、弱点などを自問自答してみる
一般投資家でも、知る事が出来ない情報など存在しない。関係のある事実は、全ていつでも容易に知りうる状態にある
店舗を歩き回って実際に味見をすることは、投資戦略をたてるための基本の一つ
数か月おきに会社に関するストーリーを再点検すると良い

テンバガーとして完璧な株


面白みがない、ばかげた社名
完璧な会社は完璧に単純な事業をやっている 完璧に単純な事業は完璧に退屈な名前を持つべき 退屈なものほど良い

変わり映えしない業容
退屈な名前の会社が退屈な業務を行っていればなお良い

感心しない業種
退屈なだけでなく、感心しないような業務はさらに良い

分離独立した会社
企業のある業務部門が分離独立した会社

機関投資家保有せずアナリストがフォローしない会社
3年来、あなたが初めて訪ねて来たアナリストです」を言われたら興奮する
一度は人気があったものの、プロから見切られてしまった株も良い

悪い噂の出ている会社


気の滅入る会社
ウォール街が無視したがるのは「死」であり「葬儀屋」だ

無成長産業であること
多くの人は成長産業に投資したがるがリンチ氏は違う
時に退屈で嫌われるものは競争の心配がないため、成長を続け、シェアを高める余裕 がある
※この無成長産業は、注目されることは少ないが、隠れた成長企業は多い。一度注目されるととんでもなく株価は上昇する。


独占的な商売である事(グローバルニッチ)


買い続けねばならない商品
玩具会社よりは薬品、ソフトドリンク、髭剃りの剃刀、たばこのような会社が良い


テクノロジーを使う側である事
値札自動読取り機を作る会社ではなく、その装置を導入したスーパーに投資すべき
その装置でコストが3%改善すれば収益は倍増する


自社株買いが多い
もし企業の人間が自社株買いをした後で株価が下がれば絶好の買い場である



避けるべき株
この避けるべき株は短期トレードには向いているかもしれない。
短期トレードがしたいのなら、テンバガーに向いている株の反対の銘柄を探すとよいだろう。

超人気産業の中の超人気会社
人気産業を次々と追いかけて投資したりすればすぐに生活保護のお世話になる
急成長産業と人気産業は利口な人々の参入を招き、独占性がなければ競合出る


第二の○○
第二の○○株と人々が言い出す時は、本家の方もおかしくなり始めるようだ




下請け会社
製品の25-50%を単一の顧客に売っている会社はリスクがある
契約が打ち切られ、特定の顧客を無くした事で破滅する会社は用心すべき

名前の良い会社
名前はつまらないのに内容の良い会社は早くから買われる事はない
二流でもいかした名前の会社は投資家に誤った安心感を抱かせる




これを逃がしてしまったが次はつかまえよう
「次」というのは滅多に起こらない
多くの場合、割安の「次のもの」に飛びつくよりも、高くても本命の、良い会社を買う方がはるかに良い

買った後で、株価が上下するのは、他の投資家が注目しているか、していないかを表しているだけだ
間違った考え方の一つに「株価が上がったら良い投資をしたと信じられている事
少し上がれば買い増し、少し下がれば売り払うという間違った行動につながる